2016-01-01から1年間の記事一覧

日経平均株価の年初来高値更新を牽引する意外な業種

12日の東京株式市場で日経平均株価は5日続伸した。前週末比158円66銭(0.84%)高の1万9155円03銭と、連日で年初来高値を更新。昨年末の株価(1万9033円71銭)も上回り、年末が迫る中でなんとか「原点」に回帰した格好だ。米長期金利の上昇や原油市場の底打ちで、…

トランプ次期大統領の国内回帰主張にも米国製造業者は冷ややか

トランプ次期米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)の破棄や環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を主張しているが、米国の製造業者は冷ややかだ。米国が協定を破棄しても、アジアに移った製造拠点が国内に戻ることはなく、消費者のコストが増大する恐れがあるため…

どっちが勝っても波乱相場の予感

11月4日の東京市場で日経平均株価は一時300円強下げ、節目の1万7000円を約半月ぶりに割り込んだ。投資家が身構えるのは日本時間9日午後に大勢が判明する米大統領選だ。先行き不透明感から日本株をはじめとするリスク資産からマネーを引き揚げる動きが続いて…

セブン&アイの100日プランへの採点は厳しい

「私に100日、時間を下さい」。5月26日に都内で開かれたセブン&アイ・ホールディングスの社長就任会見で井阪隆一社長はこう訴えた。約四半世紀にわたってグループを率いた鈴木敏文前会長の路線を見直し、問題点を洗い出し、構造改革を進めるために株式市場に…

今年もタコの呪いはやってくるのか?

日経平均株価は再び1万7000円の大台にチャレンジしようとしている。もっとも、市場関係者には10月相場に対する楽観の声はさほど聞かれない。3月期企業の4-9月期の決算発表では下方修正のリスクが高まっている。11月8日の米大統領選を前に神経質にもなりやす…

OPECの8年ぶり減産合意に識者は

石油輸出国機構(OPEC)は28日、生産量を現在の日量3,324万バレル近辺から同3250万バレルに削減することで合意した。市場関係者の見方は以下の通り。 ソシエテ・ジェネラルの石油分析部門グローバル責任者、マイケル・ウィットナー氏は「市場からの供給量が減…

市場歪曲のリスクが鮮明となったBOEの社債買入先

英イングランド銀行(BOE)の社債買い入れプログラムは、債券市場のゆがみに拍車を掛けそうだ。BOEは9月12日、前月決定した100億ポンドの社債買い入れの適格企業、すなわち英国経済に「大きな貢献」を行っている企業のリストを公表した。しかし目下のところ、…

舞阪三里乗るも馬鹿、乗らぬも馬鹿

相場格言としての趣旨は一言でいえぱ「相場の世界は大きなもうけが期待できると同時に、大損する危険も持つ」ということだろう。 至極当然のことだが、言外に「損を恐れて手堅く安全に、ということばかりに気を奪われていては株式投資での成功など望むべくも…

一元化した国家公務員共済と厚生年金なのに…

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表した15年度の年金積立金の運用損失は、5兆3098億円となった。 いっぽう、国家公務員共済は、昨年10月に厚生年金と一元化したが、一元化した後の半年の積立金は、なんと248億円の黒字だった。年金が一元化されたの…

上々のスタートラインを切ったLINE

無料通信アプリのLINEは、投資家が望む通りのメッセージを届けた。同社株は7月15日に東京証券取引所に上場し、株価は公開価格を大幅に上回った。14日に上場した米ニューヨーク証券取引所(NYSE)も、終値で公開価格を27%上回っている。同社はメッセージングを…

理論家は理路整然と曲がるなり

理論通りには動かないのが相場であり株価だ。ところが、理論家というのは相場の世界ではあっても、理詰めで一つの結論を導き出し、それが唯一の正解と思い込みがち。 結論は、なるほど理路整然としているが、相場に唯一の正解はない。だから思い込みの理屈で…

日銀発表前の円高進行

日銀の追加金融緩和見送りで大幅な円高が進んだ。ここまでは想定通りの反応。だが相場動向を詳細に見ると、為替市場で不可解な値動きがあったことが分かる。「フライング円買い」。円相場は約1年9カ月ぶりに1ドル104円台に突入したが、円が急騰し始めたのは…

ブレグジットが是なら、空中戦で円高?

「円は多くの通貨に対して上昇する」 著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、近い将来の為替見通しについて、このように見ているという。相対的に安全通貨としてドルが買われるが、円もやはり買われるという。 ドルと円の相対評価では、円が勝ると見ているよう…

ローマは一日にして成らず

一般に広く知られた格言だ。株の世界では肝に銘ずべき大事な投資家の心得」を説く言葉として生かされている。 表面的な言葉の意味は「隆盛と偉大さを誇った口ーマ帝国は長い歳月を経て、数々の戦火・苦難を乗り越えてきた末、ようやく建国が成った」というこ…

株式市場介入がやめられない中国当局

中国当局による株式市場への介入が止まらない。報道によると、当局は盛況なセクターでの増資を禁止しており、海外上場企業による国内での再上場にも制限を加える可能性がある。昨年のような株式バブルの二の舞を避けたいのは分かるが、逐一介入していては株…

学びて思わざれば則ち罔し 思いて学ばざれば則ち殆し

論語にある言葉。単純に解釈すれば、「物事を学ぶだけで自分の頭で考えないと身にはつかない。自分で考えるだけで学ぶことをしないと危険」という意味。 要するに「学ぶ」とは「師や書物による学習であり研究」だ。「思うこと」の意は、「自分自身の頭を使っ…

迷者は路を問わず

表面的な言葉の意味は「道に迷った者は他人に道を尋ねようとはしない」ということだろう。ただし格言の趣旨は別にある。 相場の世界では「迷った時は人の意見を聞いてみる度量も必要」という意味の論旨が裏面にある。 一般に、誰だって道に迷えばすぐ人に尋…

中国のヘッジファンドが多数淘汰へ

中国のヘッジファンド業界が大混乱に陥っているという話だ。厳格な新規制の達成に追われているためで、場合によっては8月までに半数以上のファンドが閉鎖に追い込まれかねないとまで言われている。業界団体の中国証券投資基金業協会(AMAC)は16年2月、中国で…

冷水三斗で底が入る

下げ相場で「冷水を頭から3斗も浴びせかけられたような大きなショックを受ける暴落があれば、大方底が入ったとみていい」といった意味のたとえだ。 相場の「底」と「天井」さえ分かれば株の売買に苦労はいらない。底で買い、天井で売ればもうけは確実なのだ…

濫觴軽んずなかれ

難解な言葉がなじみにくいが、意味は「物事の初め、起源といったものを軽視してはいけない」ということ。株式投資も「最初が大事」という教えである。 「濫」の語源は浮かぶの意。「觴」は杯のこと。杯が浮かぶほどの小さな水の流れもやがては大河になるとい…

安物買いの銭失い

一般によく口にする格言だ。相場格言としては、この後に「安物は高物、価値ある物がものをいう」と続く。 値段の安さにつられて物を買うと、品質が悪くてすぐダメになったり使う気がしなくなったり。結局は損になって、思わず安物買いの銭失いか」とボヤく。…

米国利上げでも円高ドル安?

今年のドル円相場の見通しは市場で割れているようだが、自身は「円高派」で、いっても125円どまりだ。その理由として最も重要なポイントだと考えているのは米国の追加利上げの困難さだ。年内の追加利上げは最大で2回だろう。 ドル円のレンジシフトは、「リスクオフ」…

完全雇用でもGDPが増えない日本

現状では日本の失業率は完全雇用とされる3.8%(OECD参照)を下回って低下している。統計上は、需要不足を原因とする失業者は存在しない完全雇用の状態にある。『日銀短観』12月調査における雇用人員判断DI(「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた…