2013-01-01から1年間の記事一覧

太刀の構えを 専らに する所 僻事なり

兵法の奥義を解く宮本武蔵の『五輪書』にある言葉。意味は、戦いに臨むとき、「太刀の構えにこだわるのは間違いである」ということ。 剣の道は相手を倒すのが本筋。太刀の構えは関係ない。有体に言えば、相手を確実に倒しさえすれば、構えなんてどうでもいい…

税制揺るがす、外れ馬券訴訟の行方(後編)

(前編より続く)原因は外れ馬券の扱いの違いだ。競馬の収支は配当金額から馬券購入金額を差し引く方法で計算するが、国側は当たり馬券しか差し引いていないのに対して元会社員側は外れ馬券を含めて計算している。 裁判の争点は3つある。まず競馬収支は所得税…

税制揺るがす、外れ馬券訴訟の行方(前編)

競馬の馬券で得た利益を確定申告する際に、収入(配当金額)から経費として差し引く金額の範囲などを巡り元会社員と国が争う裁判が注目を集めている。元会社員側は差し引く金額の範囲を「外れ馬券も含む馬券代全て」であると訴えるのに対し、国側は「差し引け…

米国2大投資家は、ともにFRBの量的緩和継続に疑義

12日のダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小幅に反落した。米量的緩和の早期縮小を警戒するムードが浮上し、利益確定売りに押された。 ウォール街でこの日、米国を代表する2大投資家のそろい踏みが話題を呼んだ。一人は世界最大手の運用会社ブラックロックを…

峠を越えたかユーロ高

対ドルで約2年、対円で約4年ぶりの高値をつけていたユーロが転換点を迎えている。10月以降は3極通貨で「最強」の様相だったが、31日発表された10月のユーロ圏の消費者物価指数(CPI)が流れを変えた。欧州中央銀行(ECB)が7日の理事会で利下げに踏み切るとの観…

相場は何でも知っている

なぜだか株価が変に動き始めることがよくある。何か材料が出てきたわけでもないのに、商いが急に増えたり、株価がにわかに上げ下げしたり。 そう。相場は「何かを知って」いる。株価につながる世の中の動きはすべて「お見通し」なのだ。「星は何でも知ってい…

成長する若い会社はROEに着目

「会社の成長」で若さを保っている企業は、規模を拡大(売り上げを増やす)するほかに、稼ぐ力を高めている(利益率を引き上げている)ケースが多い。自己資本経常利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)と、若返りの相関関係をみてみると、その姿が浮かび上がって…

センミツ

いろいろなうわさが飛び交うのが株式市場だ。 そんなうわさの「千のうち真実は三つ程度」という意味の皮肉を込めた表現である。それほど相場の世界の裏側は厳しく「騙し騙され、魑魅魍魎の伏魔殿だ」ということを教えている。米ウォール街の格言にも言う「筋…

気の向いた ときは吉日 ためらうな 考え込めば 出る時はなし

株の売買に、優柔不断が一番いけない。決断力こそが必要不可欠ということ。 要は「思い立ったが吉日」で、暦の吉日を待つまでもない。 実際に株の売買をしようとすれば、不安、怖さが先立ちがち。「躊躇い」はつきもので、なかなか思い切って決断ができない…

アベノミクス加速でやってくるのは格差の加速

自民党の大勝で、安倍晋三首相が進めるアベノミクスがさらに加速する。そこで気になるのが、家計に直結する消費増税や金利の上昇についてだ。経済アナリストの森永卓郎氏は、「安倍首相は選挙中に消費増税の明言を避けてきたが、8%、10%と順次、予定通りに上…

どの街に住むかで大きく変わる行政サービス

これからマイホーム購入や子育てを考えている人は、住む町を選ぶときに、行政サービスもチェックするという視点をもちたいものだ。なぜなら、自治体によって待機児童数や水道代、図書館数や蔵書数、子育てや住宅取得の助成などが大きく異なるからである。 例…

「アベノミクス失敗で国債大暴落」説の現実味

4月4日に日本銀行は「今後2年間で資金供給量を2倍に拡大する」「新発国債発行額の7割を日銀が買う」といった内容の大規模な金融緩和策の導入を発表した。これによって金利を下げ、民間にもっとカネが回るようにして、景気をよくすることが日銀の狙いだ。 黒…

強い円と強いドルの綱引きの結末は

19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)にはいくつか注目すべき点があったが、その中でも為替相場に最も大きなインパクトを与えたのは、連邦準備理事会(FRB)理事、各地区連銀総裁が適切と考える将来の政策金利予想だろう。 内訳を細かく見ると、15年末までに政策…

株価暴落で溜飲を下げる人々

日経平均が1,143円安となった5月23日の大暴落で大きなダメージを被った個人投資家たちの姿に「ザマーミロ」とつぶやき、下落の止まらぬ日経平均株価に「もっと下がれ」とつぶやいた人、意外と少なくないのでは。その感情、少しわかるなあ。ひがみとかジェラ…

上場企業の配当額は過去最高へ

上場企業が稼いだ利益から株主向けに配分する配当額が、14年3月期は過去最高になる見通しだ。円安効果や内需の持ち直しで、企業の利益水準は金融危機前の9割強に回復。株主に報いようとする動きが強まっている。家計や年金は配当収入で潤うことになり、個人…

バフェット氏は米国経済改善の認識

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は6日、米国経済が米連邦準備理事会(FRB)の刺激策に後押しされて徐々に改善していると述べた。 ただ、低金利のために債券は「怖い」投資先になったとの認識も示した。バフェット氏はCNBCテレビのインタビューで、住宅建…

今から押さえておく、来年以降の投資関連税制

新年度に入り「今年こそしっかりお金を殖やそう」と考えている人は多いだろう。預貯金、株式など運用商品の選択も大事だが、忘れてならないのは運用益にかかる税金だ。金融商品への課税の仕組みは14年以降、大幅に変わる。今のうちに基礎知識を頭に入れてお…

日本が破綻せずに経済再生する最後のチャンスか

過去20年間、踏み込んだ経済政策を避けてきた日本が、ついに綱渡りの政策に乗り出した。果敢であり、避けられない道である。リスクも高い。日銀は不安定な一歩を踏み出した。 4月から、黒田東彦新総裁のもと、日銀は大々的な量的緩和政策を発表した。安倍晋…

恐怖の来るは青天の霹靂の如し

趣旨は「恐怖の襲来はある日、突如として…。まさに青天の霹靂の如し」だということ。あの東日本を襲った大地震・津波・原発事故の恐怖がそうだった。 この言葉が示唆する教訓は、身の危険を防ぐには「常に心の準備をしておくことが大事だ」ということ。いつ…

EUのキプロス支援案が正当化される理由

欧州連合(EU)がまとめたキプロス支援案に対する反応は、当初の「ショック」が落ち着き、ありきたりとも言える「非難」に変わった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は論説で「欧州が支援策でまた失敗」の見出しを掲げたほか、ニューヨーク・タイムズ紙のコ…

実は日本よりも韓国のほうがガラパゴス化

日本の人口と国土面積はそれぞれ韓国の2.5倍、3.8倍だ。しかし、国内総生産(GDP)ベースで見ると、日本の経済力は昨年時点で韓国の5倍以上大きい。フォーチュン誌が選んだ500大企業に含まれた企業数も日本は68社で、韓国(13社)の5倍に達している。しかし、11…

盛り返してきた米国製造業

米国製造業は長期的な回復傾向が続いている。中国をはじめとする新興国に対する競争力も高まっており、「メードインUSA」の復活はこの先も持続する可能性が高い。 ボストン・コンサルティング・グループが最近発表したリポートによると、中国が米国に対して…

公募増資絡みの新たなインサイダー取引対策

日本証券業協会は13日までに、公募増資に絡んだインサイダー取引を防止するための新たな規制を導入する方針を固めた。公表前に情報が漏洩して株価が急落した場合、引受証券会社に対して増資予定の企業と中止や延期を協議することを義務付ける。7月からの実施…

春闘満額回答続出も市場は見極めムード

企業の賃上げムードが高まっているが、市場はその持続性と広がりを見極めようとしている。「アベノミクス」による円安は輸出面でのプラスもあるが、輸入物価の上昇などマイナス面も小さくない。家計の負担を減らすためにも賃金上昇は不可欠だ。 企業の労働コ…

日経平均株価はリーマン・ショック前を回復も、その内訳は様変わり

8日の東京株式市場で日経平均株価は前日比315円高の12,283円と12,000円台を回復、米金融大手リーマン・ブラザーズが経営破綻する直前の08年9月12日終値(12,214円76銭)を上回った。ここ数カ月、金融緩和の強化や国内外の景気回復期待などを背景に、急速な相場…

変わる日本企業の稼ぎ頭

日本企業の稼ぎ手が変わってきた。13年3月期は全産業(金融など除く)の最終的なもうけを示す純利益のうち、約5割を自動車、商社、通信の3業種が稼ぎ出す見通しだ。08年のリーマン・ショック前に自動車に次ぐ利益を出していた電機は今期は赤字を見込み、明暗が…

40年間不払いでも年間27万円もらえる国民年金

もしも経済的な理由から40年間国民年金保険料の全額免除が認められた場合、いったいいくらの年金を受けとることができるか?そんな計算を公認会計士・平林亮子氏が行ったのでご紹介しよう。老齢基礎年金の受給額は、1941年4月2日以後に生まれた人の場合、以下…

進む円安、広がる外貨の活用

我々が使うお金、円が外国為替市場で安くなってきた。そのためか米ドルなど外貨に関心を持つ人が増えているという。ドル円が70円台の時に、コツコツと外貨に換えてきた小生にとっては、やっとめぐってきた円安トレンドであり、1ドル100円超の時代に買って売…

円安はどうやらこのあたりで一服か

この3ヵ月余りの間に対ドルで10円以上の円安が進行した。この大部分は、政府・日銀が連携したデフレ・円高対策への期待によるものと言えるだろう。2%のインフレ率や3%の名目成長率を目指し、政府が公共投資などで需要を喚起しつつ、日銀が量的金融緩和を強化…

ドル円は2年半ぶりの円安水準に

4日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが対円で約2年半ぶりの高値をつけた。前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で一段の刺激策に対する懸念の高まりが示されたことが、引き続き材料視された。 日銀の追加緩和をめぐる観測も円を圧迫した。 …