学びて思わざれば則ち罔し 思いて学ばざれば則ち殆し

論語にある言葉。単純に解釈すれば、「物事を学ぶだけで自分の頭で考えないと身にはつかない。自分で考えるだけで学ぶことをしないと危険」という意味。
要するに「学ぶ」とは「師や書物による学習であり研究」だ。「思うこと」の意は、「自分自身の頭を使っての深い思索」を言うのだろう。
「学ぶ」ことは大切だ。だが学習した事柄も自分なりにその意味を考え、理解しなければ本当の意味の知識として身につかない。一方「思うこと」だけでは、独断偏見の弊害を招く危うさがあると。
言わんとする論語の本旨は「学ぶ」「思う」の一方に偏らず、双方を併せ実践することで、初めて有用な真の知識教養が得られるという教えである。
相場格言としての意味は、「学ぶ」は投資理論の「勉学」。「思う」は身をもっての「実践・体験」ととらえているようだ。どちらも大切なことは言うまでもない。
ただ、先人の金言には「実践」に重きを置く傾向が目につく。いわく「投資の腕を磨く最良の法は実際に投資をすること」「百冊の理論書は一回の売買に如かず」などがそう。