2018-01-01から1年間の記事一覧

果たして今回も「原油100ドル超え」はあるか?(後編)

(中編から続く)さて、そうなると原油市場はいったいどこへ向かうのだろうか。ここまで見て来た状況を考えると、今後、価格が大きく上ぶれする可能性は否定できない。現状を過去の原油高騰時になぞらえて、危ぶむ向きもある。 しかし、「原油価格が100ドル…

果たして今回も「原油100ドル超え」はあるか?(中編)

(前編から続く)原油価格は08年前半に150ドル近くまで高騰した。「当時、OPEC産油国の余剰生産能力が世界の石油需要に占める割合は2.6-2.7%程度だったが、このまま余剰生産能力が減っていくと、当時の水準に近づいていく」(野神エコノミスト)。需給の逼迫度…

果たして今回も「原油100ドル超え」はあるか?(前編)

国内のガソリン小売価格は1リットルあたり150円を超え、4年ぶりの高値水準となった。 石油製品が値上がりしている背景には、原料となる原油の価格が世界的な上昇トレンドに入ったことがある。原油取引の代表的な指数であるWTI、北海ブレント、中東ドバイ価格…

一帯一路の「債務ドミノ」で次に倒れる国はどこか

中国のシルクロード経済圏構想「一帯一路」で、次に「債務ドミノ」が倒れるのは太平洋諸島の可能性がある。 中国からの債務返済に四苦八苦するトンガのポヒバ首相は、中国が国家資産を差し押さえる可能性について警戒している。それは極端な話のようだが、こ…

バフェット氏も投資先がない?

流行を追わず、価値あるものをかぎ分ける自らの鋭い嗅覚で、投資会社バークシャー・ハサウェイを時価総額4700億ドル(約53兆円)の巨人へと育て上げた米著名投資家ウォーレン・バフェット氏。だが、このたび、自社株買いの社内規定を緩和したことで、バフェッ…

現金至上主義の日本にもついに

日本のキャッシュレス決済比率は18%(15年現在)。政府はこの比率を25年までに、40%まで引き上げようとしている。現金志向が根強く残る日本で、果たして実現できるのか。キャッシュレス決済の普及に向けた課題と、新しい取り組みを紹介する。JR総武線馬喰町駅…

またも日銀に敗れたヘッジファンド勢

日本の国債市場が機能不全に陥り、ニューヨークのヘッジファンドは代替として米国債市場で日銀金融政策に関する思惑売買を繰り広げていた。「日銀の出口近し」との判断から、米国10年債は記録的な空売りポジションが積み上がっており、その規模はCFTC(米国商…

日銀が金融政策調整に踏み切る

日本銀行は31日の金融政策決定会合で、長短金利水準を据え置いた上で、長期金利目標について「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」ことを賛成7、反対2で決定した。 黒田東彦総裁は記者会見で、長期金利の変動幅について、これまでのプラスマ…

ふるさと納税が発足10年を迎え転換点

ふるさと納税が制度発足から10年を経て転換点を迎えている。17年度も全国の自治体の受け入れ額は過去最高額を更新したものの、伸び率は縮小した。返礼品競争の自粛を促す総務大臣通知を受けて、返礼の見直しや使い道の明確化などの動きが広がったが、豪華な…

株式投資は上質なギャンブル

知的な生き方や思考の方法論などの著作で知られる英文学者の外山滋比古氏。30歳だった53年から株式投資を続けてきた長期投資家としての側面を持つ。65年にも及ぶ投資経験から得た哲学やノウハウを日経マネーに語っている。セオリーと呼ばれる投資方法とは異…

久々に堅調のJ-REIT

先週も株式市場は、トランプ米大統領が仕掛ける貿易摩擦の行方とその実態経済への影響を不安視する動きとなった。こうしたなか、東証REIT(不動産投信)指数が約1年3カ月ぶり高値をつける堅調となった。 J-REITが利回り重視型投資商品であることを加味し、「分…

つみたてNISA投資家の半数が満足という結果

1月にスタートした積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」を個人投資家の4人に1人が利用し、その半数が同制度に満足していることが、雑誌「日経マネー」の調査で見えてきた。投資歴1年未満の層では、利用率が4割近くに達する。低コスト・低リスクで…

先進各国の住宅市場に異変の兆し

先進国を中心に金利の低い環境が長く続き、ここ数年世界中の多くの都市で住宅価格が大幅に値上がりしてきた。全体としてはまだ不動産市場は堅調と言えるが、一部のハイエンドな地域では変調の兆しがある。これは大きな変動につながるシグナルなのだろうか?ロンド…

ECBも量的緩和の終了へ

欧州中央銀行(ECB)は6月14日の理事会で、量的緩和を今年10月以降は月間150億ユーロに縮小し、年内に終了する方針を決定した。金融危機を受け導入した措置の解除に向け大きな一歩を踏み出したことになる。 声明では「9月末までは月間300億ユーロの現在の買い…

続く新興国通貨安は在りし日のデジャヴか

米国のインフレ率がじわり上昇する中、米連邦準備理事会(FRB)は、緩やかなペースながら淡々と利上げを継続する姿勢を示している。米国経済が堅調であること自体は昨年と変わらないものの、「低インフレ」「低金利」の「ゴルディロックス(適温相場)」からは徐…

米国の金融規制は金融業界にとって敵か味方か

ウォール街はトランプ米大統領が掲げる金融規制の抜本的な緩和を実は望んでいない。米国でこんな観測が広がっている。議論中の法改正は中堅以下が主な対象。総じて大手への恩恵は乏しいが、現行規制の微修正が望ましいという空気すら漂う。なぜだろうか。 首…

地銀が膨らませる外債損失

地方銀行が米国債など海外債券の運用で損失を膨らませている。全国105行の債券運用益は5年前に比べ2600億円も減り、18年3月期は赤字になった可能性がある。損失の主因は米長期金利が上がって債券が値下がりしたことだが、もう一つの理由は十分な体制がない地…

iDeCoの主体を投信にシフトするりそなHD

個人型確定拠出年金は、「iDeCo」という愛称で呼称されるよりもはるか昔、01年の導入時点から、金融業界で「もうからない」といわれ、どの銀行も積極展開に踏み切っていなかった。 大勢は、今も変わらないのだが、りそなホールディングス(HD)は、iDeCoの普及…

景気拡大への道のりをたどる日本

日本の企業景況感は、80年代後半から90年代初頭のバブル期以来の高い水準にある。3月の日銀・全国企業短期経済観測調査(短観)では、中小企業の業況判断DI(良い-悪い)が、製造業でプラス15、非製造業でプラス10と、いずれも2桁のプラスを記録した。 中小企業は大企業…

オマハの賢人曰く「冷静でいれば、暴落は好機となる」

米著名投資家で「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏。経営するバークシャー・ハザウェイの株主に年に一回手紙を送る。2月下旬の最新の手紙では、暴落は今後も訪れるとしたうえで「冷静でいれば、それは好機となる」と述べた。また運用を手数…

つみたてNISAを始めようとするとき考えるべきこと

今年から始まった「つみたてNISA」の1月末時点での主要証券・銀行11社における口座数は、約38万に達したとの報道があった。 また、昨年から制度拡充された「iDeCo」や既存NISAによる積立契約も合わせると、それら全ての口座数は150万を超え、若い投資家の資…

株式市場の注目点は変化したのか

日本時間の3月2日3時ごろから米国市場の異変は始まった。それまでは、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が2回目となる議会証言の席で、経済の過熱の可能性について前回のタカ派的表現を若干修正するような発言をし、米10年債金利が2.8%台前半に下落。株式相…

「円高株安」のセオリーが通用しなくなった理由

ドル円はついに一時105円台に突入した。為替市場ではドル全面安が継続。しかし、同じ「リスク回避通貨」とされるスイスフランや金と比べても、円高傾向が突出している。 そもそも、「株高なら円安地合い」という従来のセオリーがまったく機能しなくなってお…

投資信託のコストをおさらい

投資信託を購入、保有するにはコストが掛かる。その中で最も大きいのが、「購入時手数料」と「信託報酬(運用管理費用)」の2つ。 これ以外にも細かく見れば、監査費用、組入有価証券の売買コストなども、投資信託の保有者が負担するコストに含まれるが、まず…

仮想通貨の価格変動もヘッジファンドには儲けのタネ

ヘッジファンドのうち、ディストレス型と呼ばれるタイプは、破綻懸念があり価格が著しく下がっている企業の株式などに投資する。その種のファンドが仮想通貨「NEM」に注目しているという。彼らの見立てはこうだ。コインチェック事件のハッカーの口座は特定さ…

ドル円は久々の108円台突入だが

黒田総裁が金融緩和縮小を否定したことにより、日銀の緩和縮小観測で円高に振れていたのが円高圧力が和らぐだろうと言われていたが、2時間ぐらいしかもたなかった。一瞬円安方向に動いたが、ロンドン時間が始まったら堰を切ったような円高の流れになった。 …

今年の金相場の行方やいかに

特に近年、ドル建て金相場とドル金利の「逆相関の関係」が目立っている。つまり、ドル金利が低下するとき、ドル建て金相場は上昇、逆にドル金利が上昇する時、ドル建て金相場は下落、という関係である。 これは、世界の基軸通貨である“ドル”の金利が上昇して…

ビットコインの97%は、4%のアドレスが保有

仮想通貨とブロックチェーンに関する幅広い分析の中で、クレディ・スイスはビットコインにおける富の集中について解説した。 「ビットコインの97%は、4%のアドレスが保有している」と同金融機関は記した。「ビットコインは1%の人々にとっての新たなおもち…

つみたてNISA口座申込は早くも25万件

18年1月に始まった積み立て方式の少額投資非課税制度「つみたてNISA」が個人マネーの新たな受け皿になりつつある。主な証券・銀行12社の17年末時点の口座申し込みは約25万件となった。つみたてNISAは年間40万円まで投資可能で、20年間は運用益が非課税となる…