迷者は路を問わず

表面的な言葉の意味は「道に迷った者は他人に道を尋ねようとはしない」ということだろう。ただし格言の趣旨は別にある。
相場の世界では「迷った時は人の意見を聞いてみる度量も必要」という意味の論旨が裏面にある。
一般に、誰だって道に迷えばすぐ人に尋ねるもの。ここでいう「尋ねようとしない」理由は多分に心理的な要索。いわゆる変なプライドとか頑固さゆえ。
株の売買でも言えること。自分で考え、自信を持って臨んだやり方が失敗。試行錯誤して迷路に入り込んでも「人の意見など聞きたくはない」という心理。
気持ちの上で納得できずプライドが許さない。妙に意固地になってしまう。だが、相場で成功するには「人の考え、意見に耳を傾け、投資法を再検討してみることも大切」という教えである。
一方で「相場師は孤独を愛す」や「相場は一人ごと」といった有名な格言がある。まるで逆だが、本来は自分一人、自力本願で取り組むのが相場の基本だ。「人任せは負け」だということも真実。
ただ頑迷では勝てない。柔軟性が必要なことも事実。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」だ。