ドル円は2年半ぶりの円安水準に

4日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが対円で約2年半ぶりの高値をつけた。前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で一段の刺激策に対する懸念の高まりが示されたことが、引き続き材料視された。

日銀の追加緩和をめぐる観測も円を圧迫した。
ドルはユーロに対しては値を消す展開となった。朝方発表された12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の増加ペースが11月からやや鈍化したことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)は金融引き締めを急がないとの見方が強まった。
ロイターのデータによると、ドル円は一時88.40円まで上昇し、10年7月以来の高値をつけた。

ドルは雇用統計の発表後に上げ幅を縮小する場面も見られたが、その後は再び値を上げ、終盤は1%高の88.13円となった。トレーダーによると、88.50円と89円にオプションのバリアがある。
ドル円は週間ベースでは2.7%上昇した。

アナリストはドルが88円を突破したことが重要と指摘し、一部では円がさらに下落するとの見方が出ている。
GFTの為替ストラテジスト、マシュー・ウェラー氏は、「(ドル/円の)強い地合いは変わっていない」と指摘し、ドルが下げれば買いを入れる好機との見方を示した。
ユーロドルは0.2%高の1.3080ドル。ロイターのデータによると、一時3週間ぶりの安値となる1.2997ドルをつけた。
ユーロ円は1.3%高の115.15円。