日銀の当座預金残高が過去最高を更新

日銀の当座預金残高が24日、速報ベースで前週末に比べて4700億円増の44兆2100億円となり、7月2日の44兆0500億円を上回って過去最高を更新した。
日銀は、国債やリスク性資産を購入する資産買入基金の累次の増額で、金融緩和を強化している。9月も18、19日の金融政策決定会合において、基金の目標残高をそれまでの来年6月末70兆円から、来年末80兆円に増額したばかり。市場からの資産買い入れを積極的に進めている結果として、当座預金残高の高水準での推移が続いている。
 
現在の日銀の金融政策は市場に供給するお金の量をターゲットにしたものではないが、それでも過去に導入した当座預金残高を目標とする「量的緩和政策」時代のピークの「30-35兆円程度」を大きく上回っている。市場の資金余剰感が強まる中で、日銀の資金供給オペに対する需要も減退し、応札額が募集額に達しない札割れもたびたび発生している。基金の目標残高が拡大する中で、日銀の金融調節も綱渡りの状況が続きそうだ。