ブラジル中銀が追加利下げの可能性を示唆

ブラジル中央銀行は、26日公表した18日開催の金融政策委員会の議事録で、いかなる追加金融緩和も慎重に実施されるべきとし、政策金利を過去最低の8.75%からさらに引き下げる可能性を示唆した。

中銀は18日の会合で、予想通り政策金利を75ベーシスポイント(bp)引き下げ9.00%にすることを決定。ただ、景気支援のための追加利下げの可能性も示唆し、市場を驚かせている。
だが、議事録ではさらに追加緩和への明確な意思が示された。
中銀は、金融緩和サイクルはまだ終わっていない可能性があるとし、「年初来に導入された政策措置の効果は累加的かつ遅れて表れることから、いかなる追加の金融緩和措置も慎重に実施されるべきと金融政策委員会は確信している」と指摘した。
また議事録では、政策金利は過去最低水準近くまで低下し、その水準にとどまる公算が大きいとしていた従来の文言が削除された。アナリストはこれについて、追加利下げはブラジル経済の回復ペース次第であることを示唆していると受け止めている。

BESインベスティメントの首席エコノミスト、フラビオ・セラーノ氏は「追加利下げの可能性は極めて高い」と指摘。「経済指標の内容が今後の決定を左右する傾向が強まると解釈すべき」と述べた。
ブラジル中銀は景気の落ち込みを受け、09年9月初旬から10年5月まで、政策金利を過去最低の8.75%に据え置いている。
ブラジル経済は昨年、再び経済が大きく減速しており、中銀は昨年8月以降、350bpの利下げを実施した。

中銀はまた、回復ペースは予想よりも鈍いとの見方を示したが、経済活動は上向いているとも指摘。信用拡大が継続していることに加え、消費者・企業信頼感は高水準にあり、失業も過去最低水準にとどまっていることから、経済を支援する見通しとしている。
インフレについては、世界経済の減速を背景に、年間のインフレ率が目標レンジ(2.5-6.5%)の中間である4.5%に向けて鈍化すると依然予想しているとし、インフレリスクは低いとの考えをあらためて示した。