インド格付け見通しを「ネガティブ」

格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は25日、巨額の財政赤字や財政健全化の遅れを理由に、インドの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」へと変更したと発表した。これを受け、株式・債券・為替相場に影響が出ている。
これにより、投資適格級としては最低ランクにある同国の長期ソブリン格付け「BBBマイナス」の維持も危うくなってきた。

S&Pのクレジットアナリスト、小川隆平氏はリサーチノートで「今回の見通し変更は、対外環境の悪化や財政健全化の遅れが続けば、少なくとも3分の1の確率で格下げの可能性があるとのわれわれの考えを反映したものだ」と説明している。
市場ではS&Pの発表を受け、インドの10年債利回りが4ベーシスポイント(bp)上昇し8.63%となったほか、インドルピーが対ドルで軟化し、1ドル=52.64ルピーをつけた。
また、インド株式市場ではSENSEX指数が前日終値比で一時0.9%値を下げた。