イタリアの信用拡大はなお弱含み

イタリアの銀行が国内で集めた預金は3月に1.6%増加し、10年10月以来1年5カ月ぶりの大幅な伸びを記録した。一方、海外からの預金は急減し続けたほか、不良債権が増加し、市場の混乱や経済見通しの悪化を反映する内容となった。
 
これは、イタリア銀行協会(ABI)が18日公表した月次報告書から明らかになったもので、国外在住の顧客による預金は、直近の統計が利用可能な2月に16%減り、8カ月連続の減少となった。
2月の不良債権総額は16.5%増加し、1076億ユーロとなった。民間部門への融資に占める不良債権の割合は、08年6月の3%から6.3%に増えた。
3月の民間部門に対する融資の伸びは0.9%と、前月からほとんど変わらなかった。欧州中央銀行(ECB)が銀行に大量の資金を供給したにもかかわらず、信用拡大の勢いが依然として弱含んでいることが示された。