シェールガス、初の輸入へ

三井物産三菱商事は17日、米エネルギー大手のセンプラ・エナジー(カリフォルニア州)から液化天然ガス(LNG)を最大800万トン調達することで基本合意したと発表した。年内の正式合意を目指す。
シェールガス」と呼ばれる新型天然ガスを原料にLNGを生産し、早ければ16年後半から日本に輸入する方向で協議を進める。米国はFTA(自由貿易協定)締結国向けに制限していたLNG輸出の規制を緩和しており、センプラは非締結国の日本向け輸出を米政府に申請している。
実現すれば、米国からシェールガスを原料とするLNGを輸入する初のケースとなる。日本国内では、原発の停止で火力発電用燃料のLNGの需要が急増。国際的にもLNG争奪戦が激化しており、日本のエネルギー安全保障の上で重要な調達ルートとなる。
 
日本の昨年のLNG輸入量は7853万トンで、今回の調達量は約10%を占める。計画では、センプラの完全子会社であるキャメロンLNG(同)が、13年中に液化設備の建設に着手。16年末から年間で最大1200万トンを生産する予定で、うち計800万トンを三井物産三菱商事が取得し販売する。
三井物産は年内にも米国で権益を持つガス田で採取したシェールガスを設備にパイプラインで送る契約を結ぶ。
日本政府は昨秋から米国にLNGの日本向け輸出を要請しており、官民一体の取り組みが実を結んだ。