短期的にはひと相場終了

東京株式相場はことし最長となる5日続落で、短期的には完全にひと相場終わったという感じ。米国の雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回ったほか、為替の円高が警戒され、自動車など輸出関連や非鉄金属など素材関連株を中心に東証1部33業種は全て安かった。市場参加者の様子見ムードも強く、東証1部売買代金は約2カ月ぶりの1兆円割れとなっている。
TOPIX終値は前週末比12.02ポイント(1.5%)安の813.69、日経平均株価は142円19銭(1.5%)安の9,546円26銭。5日続落はTOPIXが昨年12月19日以来、日経平均は同11月25日以来のことだ。

明治安田生命保険株式運用グループの渡辺尚グループマネジャーは、「雇用統計の内容はテクニカルな要因を織り込んだ中でも悪く、順調に来ていた雇用情勢に疑問符が付いた」と述べている。さらに、明日まで開催される日本銀行金融政策決定会合の結果や為替次第では、「日経平均9,500円割れの可能性もある」との見方を示したというから、穏やかではない。

また、米労働省が6日に発表した3月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比12万人増と、ここ5カ月で最も小幅な伸びにとどまった。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は20万5000人増。前月は24万人増(速報値22万7000人増)に修正された。
第一生命経済研究所の桂畑誠治主任エコノミストは、明らかに雇用の増加ペースが鈍化した上、失業率も実質的には上昇しているとし、「雇用情勢の改善が足踏みしていることが示された。ガソリン価格の上昇などと合わせて、個人消費の減速要因になるだろう」と指摘している。