つい昔 底値百日 言うたれど 今は機敏で 反発も急

なるほど、古くからの有名な格言に「天井三日、底値百日」というのがある。
かつての相場の動きの典型は、ゆっくりと上昇していき、急勾配を上り詰めたと思ったら、とたんに急坂を駆け下りるように一気に下げる。
そこから再び上昇に転じるまで、長い期間にわたって底を這ったケースが多かった。
「底値百日」とは、相場が底を這うような局面にいったん入ると、いつまでたっても動かないかのような状況が長い期間続くことのたとえ。「天井三日、底三年」なんて言葉もあるほど。

だが、それは「つい昔」のこと。今の相場は「機敏で反発も急」だというのがこの格言だ。取引の近代化、先物市場の進化などにより相場の動きが速くなったという意の、比較的新しい格言だ。
言葉に潜む真の趣旨は、「だからこそ、相場の天井、底の見極めが肝心」ということなのだろう。相場はいつまでも保ち合っていることはないのだ。

「静中動あり」「相場は豹変する」--動かない間、徐々にエネルギーを蓄え、いつ局面が変わるかはわからないのだ。要するに、細心の注意が必要だということ。「天井買わず、底売らず」の格言にも通じる。