ユーロショートの建玉が過去最大だが

13日発表されたシカゴマーカンタイル取引所(CME)の国際通貨市場(IMM)では、ユーロの売り越し幅が15万枚台に拡大し、過去最大を更新している。
1月10日時点のユーロ・ドル先物取引非商業部門のユーロポジションは買い持ち29,770枚、売り持ち184,965枚で、差し引き155,195枚の売り越しだった。その前週1月3日時点の売り越し幅138,909枚を上回り、3週連続で99年1月のユーロ導入以降の最大を更新した。

引き続きユーロを買う材料がなく、猫も杓子もユーロショートに傾いている現状では、逆にユーロは反発しやすい地合いになりそうだ。
特に短期投機筋の買い戻しが入りやすい環境で、来週はフランスやスペインの国債入札があり、直近入札のように堅調な結果になれば、ショートカバーの材料にされる可能性がある。
市場関係者も「これだけショートが溜まっていれば、ある程度整理したいに決まっている」(大手邦銀)、「短期筋のユーロショートの買い戻しの進捗状況はまだ2割程度」(外為アナリスト)との見方があり、ショートカバーを誘いやすい地合いとみている。

とはいえ、これでユーロ安が止まると考えている市場関係者はほとんどおらず、ショートカバー地合いは短命に終わりそうだ。むしろ、一時的なショートカバーで建玉が整理され、絶好のユーロ売り場を狙っている投資家も多いとみみられる。
なにしろ、今年前半は国債大量償還やギリシャ、フランスの選挙などリスクイベントは目白押しで、長い目で見たダウンサイドリスクに変わりはない。金融政策のスタンスの違いも、じわじわとボディーブローのように効いてくる可能性がある。「(ユーロの)セル・オン・ラリー(戻り売り)のスタンスを変えていない」(外銀)との声もあるほどだ。