ソロス氏「休むも投資」のススメ

著名投資家のジョージ・ソロス氏は、ユーロの崩壊と欧州連合(EU)の分裂は国際金融システムに破壊的な結果をもたらすことになるとの見方を示し、これをインドの各紙が報じた。
ビジネス・ライン紙によると、ソロス氏はインド南部の都市ハイデラバードで、「ユーロは現在、EUの政治的結束を脅かしている可能性がある」と指摘。「ユーロが崩壊した場合、EUの分裂につながるだろう。それは欧州だけでなく、世界の金融システムにとって破壊的な事態となる」と語っており、市場はユーロ圏分裂の可能性を織り込み始めているとも指摘した。

同氏はさらに「(ユーロ圏危機は)08年の危機よりも深刻で脅威になっている」(エコノミック・タイムズ紙)と指摘、ビジネススクールのイベントでも、「『債権国と債務国』の不均衡によって、一部のユーロ圏諸国は短期的に、さらなる緊縮財政措置を取る必要があるかもしれない」(ミント紙)と述べている。

欧州危機を封じ込めれるかどうかについては現時点では明らかではないとし、多くの人々は危機が一線を越えてしまっており、「解決不可能」だと感じているとも述べた。そのうえで、市場が「均衡から程遠く、過去に用いられた基準や手段を用いての予測が極めて難しい」と指摘した上で、投資家は「慎重に行動する必要がある」と発言。「起こり得る事態を正確に予想できなければ、資金を失い続けるよりは何もしない方が得策だ」と述べている。
賢明なる投資家であれば、ここで「休むも投資」も検討せよということか。