意外とがんばるイタリア政府

イタリアのモンティ首相は29日にローマで会見し、同国の債務をまず持続可能な水準にすることに政権は軸足を置くとした上で、債務圧縮に向けた一段の積極的な取り組みを「排除」しないと語った。
イタリアは数年以内にプライマリーバランス(基礎的財政収支)で5%の黒字を達成できるとの見通しを首相は示し、それによって1兆9000億ユーロの債務を段階的に減らすことができると説明した。債務圧縮に向けた一段の積極策を政権は検討するかもしれないとも述べたが、詳細には触れなかった。
首相はまた、イタリアの競争と成長を促す一連の措置を束ねたパッケージについて、1月23日の欧州財務相会合の前までにまとめられるとも言明。雇用促進のための労働法改正策は2月に提示すると述べた。

モンティ首相はさらに、イタリアの国債利回りを押し上げた市場の混乱はまだ終わっていないとし、イタリア債への信頼は「ゆっくり」戻るとの見方を示した。欧州中央銀行(ECB)がここ数週間、イタリア国債の購入を減らしたことを考えれば、10年債のドイツ債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)がそれほど拡大していないことは「ほっとできる」兆候だとも話した。
その上で、現在のスプレッドの水準は「正当化できない」とも付け加えた。29日のスプレッドは500ベーシスポイント(5%)余りとなっている。