一般庶民を敵に回すのがお気に入りの経団連

日本経済団体連合会(経団連)はどうやら一般庶民のことをなめきっているらしい。12年春闘での経営側の交渉指針を示す経団連の「経営労働政策委員会(経労委)報告」の最終案で、「賃金改善を実施するには至らない企業が大多数を占めると見込まれる」として賃上げ否定を前面に打ち出し、定期昇給(定昇)の凍結の可能性にも言及した。
定昇を容認する姿勢を見せた11年春闘の報告とは一転。東日本大震災円高、欧州財政危機などによる厳しい経済環境を背景に、労働者側との対決姿勢を鮮明にした。
日本労働組合総連合会(連合)は給与総額の1%を目安とした引き上げを求める春闘方針を決めており、労使間で激しい交渉が展開されそうだ。

経団連は幹部による議論を経て、来年1月中に報告を公表する予定だが、最終案として、震災などを挙げ「わが国企業にとって厳しすぎる試練が続いている」と現状分析した上で、連合の1%引き上げ要求を「理解に苦しむ」と一蹴。「恒常的な総額人件費の増大を招くベースアップ(ベア)実施は課題とはなり得ない」とした。
年齢が一つ上がるごとに賃金が自動的に上がる定昇については「実施を当然視はできなくなっている」「合理的な範囲内で抜本的に見直すことが考えられる」と指摘。「負担の重い定昇を抱えている企業では、厳しい交渉を行わざるを得ない」と凍結の可能性も示唆した。

言及の矛先は正社員以外にも向けられている。経団連はかねてより派遣社員等を人だとは思っていないようだが、こうした非正規労働者の処遇改善についても「雇用の減少を招きかねず適切でない」と否定的な姿勢を示している。

原子力行政にどんなに問題があっても推進一辺倒だわ、TPP交渉参加については会長の米倉弘昌氏が会長を務める住友化学が遺伝子組み換え種子の大手モンサントと長期的協力関係を結んでいるとあって、かなり前のめりだわで、最近の経団連には閉口するばかりだ。
だが、それにもまして政府は大増税を打ち出し、企業は給料を増やさないという政策なんてやっていても、国内消費はますます冷え込んで、税収も企業収益も落ち込むだけだということはわかっているはずなのに、ひどい話である。