欧州債務危機の解決にEU条約改正を求めるドイツ

ドイツは欧州の債務危機を解決する策として、当局の膨大な資金力を見せ付けることで市場の沈静化を図るのではなく、財政規律を強化する欧州連合(EU)条約改正の手続きを迅速化する方が望ましいとの考えを示した。

メルケル首相のザイベルト報道官は28日ベルリンで記者団に対し、ドイツは条約改正について「意欲的なスケジュールで作業している。欧州は永久に待っていることはできないし、一部から見れば驚きのスピードで限られた変更を実現することは可能なはずだからだ」と語った。
メルケル首相は12月2日にベルリンの独下院で危機について演説する。8、9両日の欧州首脳会議で協議する条約改正についてあらかじめ議会で説明する。

ユーロ圏諸国の財務相らは29日に会合を開く。ドイツはユーロ共同債導入や欧州中央銀行(ECB)の役割拡大には依然として反対だとショイブレ財務相は27日に述べた。
ザイベルト報道官は、ドイツと欧州に「無限の資金力があるわけではない」として、「アングロサクソン的な世界では『バズーカ』と呼ばれる本当に巨額の資金を欧州が投入することを容認するのに対し、ドイツ政府が懐疑的なのはこのためだ」と語った。「われわれは持っていない資金を持っているような振りはできない」と述べた。