東北電力と北海道電力が風力発電購入枠を増加

東北電力北海道電力風力発電の電力買い取り量を増やすことになった。

東北電力は11年度の追加募集枠を設定したほか、「自治体風力」枠を設けて事業者を優遇することに。北海道電力も買電を増やす。気候による出力変動を東京電力の大規模送電網で吸収する実証実験への募集も実施することにした。両社とも12月、風力発電事業者を対象に新規の電力買い取りに関する説明会を開く。東北・北海道は風力の適地が多く、特に東北では被災地などでの風力発電振興を支援する狙いもある。

東北電力は11年度の追加募集枠として、大規模風力(出力2,000kW以上)を30,000kW、蓄電池などを併設した出力変動制御型(出力2,000kW以上)を50,000kWワット、中規模(出力20kW~2,000kW未満)を20,000kWそれぞれ受け付ける。東電との共同実験枠も200,000kW募集する。事業者への説明会は12月16日に実施。

自治体風力」の枠も新たに設け、中規模風力を20,000kW、出力制御型を180,000kWを別途募集することに。送電ロスが削減される地産地消型エネルギーの自治体プロジェクトや、エコタウン形成の取り組みも後押しする方針となった。
また、北海道電力も本州との送電線を活用した東京電力との実験で、受け付け可能の風力発電量を現在の360,000kWから200,000kW積み上げて560,000kWとする計画で、12月14日に説明会を開く。

東北、北海道地域は風力適地が多いものの、気象条件で出力が乱れやすいという難点があった。このため、これまでも参入希望は多かったが、買電規模が限定され「電力自由化が有名無実になっている」との批判も多くあった。実際、東北電力が10年度に実施した募集枠には大規模風力で2,390,000kW分の応募があったが、買電することになったのは200,000kWにすぎなかった。