取らんとすれぱまず与えよ

なんだか聖書に出てくる言葉のようだが、これは相場の先人が諭す名言だ。
逆説的な表現でいわく「相場でもうけようと思うならまず損を経験することだ」という趣旨。分かりやすくたとえれば「100万円もうけた経験は1億円をもうける経験にはならないが、1000万円もの損をした経験は大きく1億円を稼ぐ経験に生きる」と。
つまり初めに損をしたという痛恨の思いは「得難い体験だ」ということ。誰しも二度と損を繰り返すまいと「退の原因を探り次に備えるだろう。
最初の甘かった己の相場観は一掃されて取り組む姿勢は一変するに違いない。初めに「損」したことが貴重な経験となって、大きなもうけにつながる財産になるはず。広く知られた言葉「失敗は成功の母」があるが、これと趣旨は同じ。失敗した原因を究明して、次に生かせば成功間違いなし。失敗こそが成功への道というわけだ。
若かりしころ、誰もが「苦労は買ってでもせよ」の人生訓を聞かされたもの。失敗・苦労は人生に生き成功へ結ぶ。株の世界にも通じる道だ。「先憂後楽」の心構えである。