基準地価下げ止まりに期待

国土交通省は19日、12年の基準地価(7月1日時点)を公表する。昨年は東日本大震災の影響もあって、全国平均で前年比3.4%下落したが、国内景気の緩やかな回復を背景に今年に入り大都市圏の地価は持ち直し傾向にある。
 
基準地価は都道府県が不動産鑑定士の評価をもとに、毎年7月1日時点の地価を調査(昨年の調査地点は22,460地点)し、国交省が発表する。全国の基準地価は92年から20年連続で下落。昨年は住宅地が3.2%、商業地が4%下落した。震災直後の調査だったため、東北地方などにおける需要低迷を色濃く反映した面もあり、今年は下落幅が縮小に向かう公算が大きい。
 
国交省が8月に公表した7月1日時点の「地価LOOKレポート」によれば、三大都市圏を中心とする150地区の77%は3ヶ月前に比べて「上昇」または「横ばい」。好調なマンション販売などを背景に地価が上昇に転じる地区が増えている。
業種別日経平均の「不動産」は年初から30%上昇した。三菱地所三井不動産などの大手不動産株は3月中旬につけた年初来高値に接近しつつある。米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和第三弾(QE3)で金融相場の色彩が強まる中、基準地価の下げ止まりが鮮明になれば、さらに上値を追う場面もありそうだ。