シャープが月給とボーナスの大幅カットへ

経営再建中のシャープが社員の月給とボーナスの大幅カットに乗り出した。今冬と来夏の従業員の賞与を今夏比で50%削減し、給与についても来年9月までの間、管理職以外の一般社員で5月から始めた月給の2%カットを7%カットに拡大させる。
 
もはや背に腹は代えられない。賞与と月給カットの対象となるのは、シャープの連結対象に含まれる国内従業員のうち同一給与体系で働く約2万7500人。一般社員の賞与は業績連動だが、これを半減させる。2010年時点の賞与額は夏冬それぞれ組合員平均で72万8987円だった。これ以降の支給額は非公開としている。
月給については7%カットに。時間外手当なども法定基準まで下げ、出張手当の減額や福利厚生制度の一部休止も行う。
12年3月末の従業員の平均年間給与は706万5000円(平均年齢41.9歳)となっている。
 
一般社員の賞与・給与については11日に労働組合に申し入れ、9月中に組合からの回答を待つ。
本社課長以上の管理職の賞与は今夏すでに30%減額しているが、今冬と来夏にさらに今夏比50%減額し、昨冬比ではほぼ3分の1に。月給は4月から始めた5%カットを10%カットに拡大する。
 
ちなみに役員は今夏から賞与を全額カット済みで、2月からは月額報酬を10-30%減額、8月からは20-50%に削減幅を拡大している。
今回の賞与カットなどで約140億円の固定費削減を見込むが、6月末時点の有利子負債は約1兆2500億円。今月中旬には主力取引銀行に黒字化に向けた再建策を提示する見通しで、さらなる追加リストラ策を出す可能性がある。