証券5社決算 欧州危機が影響

証券大手5社の12年3月期連結決算が27日、出そろった。欧州債務危機を背景にした金融市場の低迷で、大和証券グループ本社みずほ証券が最終赤字となった。野村ホールディングスSMBC日興証券も減益となった。第4四半期(1-3月期)は株価の回復で業績が上向いたが、それまでの不振をカバーできなかった。

野村の最終利益は前期比6割減少。特に利益貢献の大きいホールセール(法人向け業務)部門の不振が目立ち、その中でも海外が苦戦している。大和は第4四半期の最終損益は5四半期ぶりに黒字化したものの、通期ではホールセールの不振が響き2期連続の赤字となった。
みずほも前期の293億円を大幅に上回る956億円の巨額赤字を計上。すでに実施している人員削減に加えて、今期も執行役員を含む全役員の報酬を半年間、一部カットするなど経費節減を進める。

年明け以降、株価は回復傾向を見せており、経営環境は好転しつつある。野村が12億ドルの経費節減策を打ち出すなど、各社ともコスト削減に努めており、今期はその効果も出てくると予想される。ただ、欧州危機の先行きは依然として不透明。各社とも「今期は引き続き保守的な見方をしている」(野村HDの中川順子執行役)と慎重な見方を崩していない。