ECBの国債買い入れ、二度とないことを願うオランダ中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は13日、3年物資金供給オペの追加実施を見込んでいないと述べた。また、ECBの国債買い入れについて、再び行わなくて済むことを願うとした上で、手段としては依然存在すると指摘した。
大学のイベントに出席した総裁は、利回りの急上昇を理由にドラギECB総裁が再び国債を買い入れることを提案をしたらどのように応じるかとの質問に対し「そのような事態は想定しない。そういった状況からは依然としてほど遠い」と答えた。
国債買い入れは長らく行われていないが、依然として存在する。使われていないのは良いことだ。もう使われないことを願う」と述べた。
 
買い入れプログラムは、金融政策を通じて政府の資金調達を支援することを禁じる欧州連合(EU)条約に沿ったものではないと指摘し、「それに加えて、あまり効果的だと思わない」との認識を示した。
「正直に言えば、証券市場プログラム(SMP)には短期間のアナウンス効果があったものの、買い入れそのものは、せいぜい一時しのぎの効果しかない。実質的な改善は(経済の)ファンダメンタルズによってもたらされる必要がある」と語った。
 
総裁は、ECBの長期資金供給オペ(LTRO)の追加実施については「これ以上は必要ないと予想し、そう願っている。次の3年間を上手く使えば、もう必要はないと確信している」と話した。
3年物オペの効果は薄れてきているのでは、との学生の指摘には「LTRO(の効果)はまだ効いている」と述べ、そのような見方を否定。LTROと、12月に欧州各国が合意した新財政協定によって、08年のリーマン破たんと同様の事態にユーロ圏が陥ることを回避できたとの認識を示した。
またスペインに対して今週見られた市場の反応は、状況が依然として脆弱であることを示しているものの、憂慮するほどのことはないとの見方を示し「崖っぷちに向かっているとは思わない。市場はやや過剰に反応している」と語った。同国は財政赤字削減に向けて正しい措置をとっているとの認識を示した。