眠っている郵便貯金はないか?

政府が活用を検討している金融機関の休眠預金が注目を集めている。お金を預けている立場から見れば、払い戻しを請求すれば返ってくるが、最長で30年放っておいた定期性の郵便貯金は権利が消滅し、国庫に移ってしまうという。

権利消滅の恐れがあるのは、07年の郵政民営化前に預けられた定期性の貯金で、民営化後は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理機構」が引き継いで管理している。
このうち9割を占める定額貯金は最長10年間預けることができ、その後10年間払い戻しがないと「睡眠貯金」となり、さらに10年間、請求がないと、貯金者に通知、その2カ月後に権利が消滅して、国の財源となる。東京新聞によると、権利消滅は06-09年度が29-57億円、10年度は234億円で、すべて国庫に入ったという。

一方、銀行の普通預金にあたる「通常郵便貯金」は「ゆうちょ銀行」に引き継がれており、同行によると、こちらに「休眠預金」はまだ存在しないという。
自見庄三郎金融相は17日の記者会見で「高齢者が『私の貯金が取り上げられるのか』と郵便局を訪れている」と政府方針が波紋を呼んでいることを懸念。一方で「休眠預金は銀行の不労所得だ」(田中康夫衆院議員)との声もあり、今後論議を呼びそうだ。