インド株式市場に外国人の参入が認められる

インド政府は1日、外国個人投資家によるインドの株式市場への投資を1月15日から解禁すると発表した。これまで、インドでは外国人投資家の持ち株規制が厳しく、現地の証券取引所で直接株式を買う事ができず、日本では、オープン型投資信託ETF(上場投資信託)の形式による間接的な株式投資しか認められていなかった。
また、日本国内で売買が認められているETF(NEXT FUNDS インド株式指数上場投信:1678)といっても、実際にはリンク債を証券化したものを売買するものであり、実質的にはETNを売買しているようなものであった。
今月15日までにインド証券取引委員会とインド準備銀行(中央銀行)が、詳しい仕組みなどを公表する予定としている。

インドがここにきて外国人投資家の参入を広く認めるに至った背景は、インド経済の足元の減速にある。インド政府は、11年4月-12年3月の国内総生産(GDP)の成長率を当初9%近辺と予想していたが、昨年12月に7.5%近辺に下方修正している。インドの代表的な株価指数であるSENSEX指数も11年は大幅な下落を記録しており、インド政府は経済の一段の開放に踏み切らざるを得なかったというのが本音であろう。
インド政府自身も声明で、「中央政府は、投資家層拡大と海外資金の流入促進、市場の変動抑制のため、適格外国人投資家にインド株式市場への直接投資を容認することを決定した」と発表している。

とはいっても、市場関係者はこの決定について冷静だ。あるアナリストは、前向きな措置としながらも、低調な市場環境を考慮すれば、短期的に海外からの資金流入が増大するとは考えにくいと話している。
個人的には中長期投資をする上では、いいところまで下がってきているのではないか、買い時なのではないか、と考えているのだが…。