S&P500は4年ぶり高値も方向感に確証なし

24日の米国株式市場では、S&P500が上昇し、リーマンショックが起きる数カ月前の08年6月6日以来、約4年ぶりの高値で引けた。米経済に回復の兆しがみられるなか、相場の緩やかな値上がりが継続する格好となった。週間では、ダウ、S&Pが約0.3%高。ナスダックは0.4%高で00年12月中旬以来の高値となった。
アナリストの多くは依然、今後一段と顕著な調整を見込む一方で、一連の前向きな経済指標が調整をめぐる懸念を和らげているという。

この日発表された経済指標では、2月米ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)が75.3と、速報値の72.5から上方修正され、11年2月以来1年ぶりの高水準となったほか、1月米新築1戸建て住宅販売も年率32万1000戸とエコノミスト予想の31万5000戸を上回った。
チェース・インベストメント・カウンセル(バージニア州)のポートフォリオ・マネジャー、ブライアン・ラゾリシャク氏は「ジリ高の展開ではあるものの、相場の方向感をめぐっては、投資家の間に絶対的な確証はないようだ」と述べた。

ニューヨーク証券取引所アメリカン証券取引所、ナスダックの3市場の出来高は今週、平均で64億株と、2011年2月平均の78億1000万株を下回っており、取引はそれほど積極的でないことがうかがえるという。
トムソン・ロイターのデータによると、この日午前までにS&P500の構成銘柄500社中461社が決算発表を行い、うち63.3%に当たる企業がアナリスト予想を上回る業績となった。これは過去4四半期の平均である70%を下回る一方、94年以降の平均である62%は超えている。