米国債が大幅安

14日の米金融・債券市場では国債価格が下落し、30年債は週間の利回り上昇幅がここ3年余りで最大となった。米連邦準備理事会(FRB)が前日に量的緩和第3弾(QE3)を打ち出したことでインフレ懸念が高まり、債券が売られる展開となった。
 
労働省が今週発表した物価統計では基調インフレが低水準にとどまっていることが示されたものの、市場ではQE3によって将来のインフレ抑制が難しくなるのではとの懸念が広がっている。
バンク・オブ・ザ・ウエストの債券投資責任者ポール・モンタキラ氏は「FRBが打ち出した策はインフレの観点から見ればどれも大胆な措置だ」と述べた。
通常国債が売られた一方、インフレ指数連動債(TIPS)は前日に続いて上昇。長期的なインフレ高進リスクに対するヘッジ手段として買いを集めた。
市場のインフレ期待を示す10年債と同年限のTIPSとの利回り格差(ブレークイーブン・レート)は16ベーシスポイント(bp)上昇し、11年4月以来の高水準となる2.64%ポイントに達した。

終盤の取引で30年債US30YT=RRは3ポイント安。利回りは3.086%と前日終盤から約16bp上昇し、週間では27bp上昇と09年8月以来の大幅上昇となった。
10年債US10YT=RRは約1ポイント安。利回りは1.866%で、前日比14.5bp、前週末比19.6bp、それぞれ上昇した。利回りは一時1.8941%まで上昇し、節目となる200日移動平均を上回った。